JR113系(JR西日本)
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TOP画像:網干総合車両所113系 4両(撮影 2000年8月)
上郡駅で発車を待つ姫路行き普通。地域色やリニューアル色、2010年以降の1色化により風前の灯となった、前面Vカットの湘南色。写真の編成はJR神戸京都琵琶湖線からの撤退により廃車され、現存しない。
どんな車輌か
 昭和38年に登場した、暖地向け・平坦地区用3扉セミクロスシートの直流近郊型電車である。111系の出力増強版という位置付けの為、付随車は111系と共通である。昭和50年代まで全国で約2500両以上が製造された。国鉄時代は緑と橙のツートン(湘南色)と、青とクリームのツートン(横須賀線色、スカ色)の2種類が存在し、前面は貫通扉を中心にVカットが基本であるが、国鉄末期以降は各線区に合わせた塗装パターンも登場している。長年に渡って製造された為にバリエーションが豊富な上、JR化後も改造によりさらにバリエーションが増えている。JR化後の新車に追い出される形で数は徐々に減らされつつあるが、一部に延命・リニューアル工事を受けているものもあり、まだまだ活躍が期待される。
 
JR西日本の113系
 JR西日本に配置されている113系は、初期型の0番台、シートピッチを拡大した2000番台を基本に、110km/h対応・ブレーキ改造(+5000番化)を施した5000番台・7000番台、湖西線用に寒冷地対応とした700番台(+5000番化により、現在は5700番台)、700番台のシートピッチ拡大版である2700番台(+5000番化により、7700番台)、0番台から寒冷地仕様に改造された800番台(2両ワンマン化された5800番台、3800番台以外の800番台は平成16年までに全廃)、800番台の2連ワンマン化改造の3800番(平成20年 全廃)、5800番(平成22年 全廃)が存在していた。又、300番以降・2000番のM-Mユニットに運転台を取り付けて2連ワンマン化改造された物(福知山電車区5300番台)も存在する。平成9年以降になると室内を223系並みに改装、窓枠の交換や塗装変更など、大規模なリニューアル改造を受けた物も登場している。東海道・山陽本線の京阪神快速、阪和・紀勢線系統、嵯峨野・山陰線系統、湖西・草津線系統、福知山・山陰線系統を基本に走っていたが、223系の相次ぐ増備により京阪神快速運用、嵯峨野線から撤退、福知山線・山陰線のワンマン仕様も223系5500番台の導入により確実に数を減らしている。225系のさらなる投入により京阪神地区から姿を消す日が近い一方で、一部は広島・岡山地区への転属(一部は貸し出し使用も含む)により、山陽本線で活躍する姿も見られる。
 
 平成22年より、JR西日本所属の国鉄型塗装車の1色塗装化により、京都地区で緑1色仕様が登場。岡山・広島地区でも黄色1色仕様が登場する模様である(現状は広島リニューアル色or瀬戸内海色)。
 
 
2010年現在の配置
 
京都総合運転所
 湖西線、草津線
 4両編成のL編成(元から湖西線・草津線運用 側面が方向幕仕様)と、C編成(元 嵯峨野線運用で現在は湖西線・草津線運用。電気連結器付きであるのと、側面がLED表示機になっているのがL編成と異なる)からなる。同所に113系が配置されるきっかけとなった嵯峨野線運用は平成22年に221系に置き換えられる形で撤退、余剰車は広島運転所に転属、岡山電車区に一部貸し出しという形で、山陽本線で活躍している。
 N40 or N30リニューアル車と非リニューアル車が存在し、旧来の湘南色とリニューアル色の混結編成も見られていたが、平成22年より京都地区用の緑1色塗装の編成が登場している。
 
日根野電車区
 阪和線・紀勢本線(一部は大阪環状線乗り入れもある)
 水色と灰色のツートンカラー(阪和色)4両編成が大半で、その他、オーシャングリーンにラベンダー帯の2両ワンマン仕様も存在する。前者は阪和線と紀勢本線(紀伊田辺より西)、後者は日中の紀勢本線御坊〜紀伊田辺間に使用される。一時期、京阪神快速運用の撤退により網干総合車両所や京都総合運転所からリニューアル編成が転属され、リニューアル色に統一されて阪和色が消滅(阪和色自体は他線区へ転属の際に塗り替えられずに残っていた)していた時期があったが、福知山線脱線事故関連で同線の117系撤退により、段階を経て阪和色編成が日根野電車区へ返却されて現在に至る。
 かつては阪和線の快速運用が中心だったが、223系紀州路快速や奈良電車区221系の快速運用により、阪和線の運用は大幅に減少、その分、紀勢本線での運用は増加している。
 
宮原総合運転所
 JR宝塚線・福知山線
 かつては6両の京阪神快速運用や、湖西線・草津線向けの5700番・7700番が在籍していたが、後者向けは京都総合運転所に管轄変更により転属、前者は京阪神快速運用の撤退により、他線区への転属などで一旦無配置となっていたが、平成17年の福知山線脱線事故により117系と入れ替わる形で、福知山線(JR宝塚線)向けに再配置されている。当初は元 日根野電車区の非リニューアル車(一部は岡山へ転属していたものも含む)で形成されていたが、半自動扉未設置により冬季に篠山口以北を走行できないという事から、日根野電車区に配置されてたリニューアル編成と交換し、現在はリニューアル編成4両&6両で揃えられている。
 
 日中は丹波路快速や篠山口〜福知山間ワンマン運用により223系が使用されるため、同所の113系運用はそれ以外の朝夕ラッシュなどに使用されている。
 
 
福知山電車区
 山陰本線(園部〜福知山〜城崎温泉間)、舞鶴線
 2両のS編成(5300番台)が在籍。115系R編成と共通運用であり、同線向けに新製配置された223系5500番台と共に使用される。大半がN40リニューアル化されている。後付運転台はオリジナルのものを使用、ワンマン運転に向けて先頭側ドアを運転室寄りに移設しているのが特徴的である。
 
 
かつては他に800番台、3800番台、5800番台が存在していたが、老朽化により廃車となっている。又、小浜線電化時にラッシュ用として小浜線色(リニューアル色の、茶色部分が緑系の色になってる塗装パターン)4両が配置されていたが、125系の増備により運用が無くなり、京都総合運転所に返却されて消滅している。
 
岡山電車区
 山陽本線(姫路〜三原)、伯備線、赤穂線、宇野線
 4両のB編成が2本在籍。京都総合運転所所属であり、貸し出しの扱いである。非リニューアルの湘南色である。抑速ブレーキ未設置の平坦向けで、セノハチを越えられない為、それを避けた運用(かつての103系運用と同じ)となっている。
 過去にも日根野電車区からの非リニューアル編成が転属し、113系としても岡山電車区としても初となる瀬戸内色をまとって登場したが、福知山線脱線事故関連で宮原総合運転所に移動(ATS-P設置編成である為)した後、日根野電車区に返却されている。
 
広島運転所
 山陽本線(糸崎〜三原、海田市〜由宇)、可部線、呉線
 京都総合運転所からの転属で、かつての103系運用を置き換えている。全て4両編成で、リニューアル編成は広島リニューアル色(一部はカフェオレ系の標準リニューアル色のままのも存在する)、非リニューアル編成は瀬戸内色となり、同所の115系との区別がつかなくなっている。
 
過去の配置
 
網干総合車両所
 JR神戸京都琵琶湖線快速運用
 国鉄時代は、京阪神快速=湘南色の113系というイメージだったが、221系の導入以降、その数を徐々に減らしていき、223系の大量投入により平成16年には完全撤退している。初期車が殆どの為、大半は廃車、一部の経年の浅い編成やリニューアル車は他線区へ転属している。
 4両編成と7両編成(かつては中間にクハを組み込んだ8両編成)が存在。快速運用は主に7両が使用され、4両はラッシュ時に7両と増結して11両編成で使用されている他、一部の山陽本線姫路〜上郡間にも使用されていた。初期車が多数の為、側面の行先表示器は未設置or準備工事状態により未使用であったが、例え設置されていても白幕状態や車体カラーに合わせた紙を貼り付けてまで未使用という徹底ぶりであった(同所のリニューアル編成では側面行先表示が設置され、京都総合運転所貸し出しによる草津線運用では使用されていたのに、本来の京阪神快速運用では幕を装備しているにもかかわらず未使用であった。)
 
奈良電車区
 大和路線大和路快速運用(大阪環状線直通)、奈良線、和歌山線、桜井線
 昭和48年の関西本線奈良〜湊町(現 JR難波)の電化により、快速運転開始により投入。阪和色の赤バージョンである春日色をまとっていた。大和路快速用は平成元年に221系へ置き換えられ、奈良線・和歌山線向けの非冷房初期車両が残っていたが。JR東西線関連で207系大量投入により103系が余る事から、奈良電車区に転属、それに置き換わる形で消滅している。
写真集
写真
内 容
撮影場所
撮影年月
 福知山運転所 800番台 城崎行き。隣に写ってるのは播但線の50系客車
和田山
H03/05/03
 京都総合運転所 L編成。湖西線堅田行き。湘南色
京都
H12/03/18
 京都総合運転所 C編成 園部行きと福知山運転所115系R編成 胡麻行きとの
併結運用。湘南色とリニューアル色のコラボ編成
京都
H12/03/18
 網干総合車両所 リニューアル4両 草津線柘植行き。京都総合運転所向けで
使用されてた為か、網干車としては珍しく側面方向幕が使用されていた。
京都
H12/03/18
 網干総合車両所 4両(7両との併結) 快速 米原行き。4両は姫路側の前面
幕が黒幕化されている。
姫路
H12/06/24
 福知山運転所 800番台 豊岡行き。
福知山
H12/07/30
 福知山運転所 800番台 篠山口行き。
福知山
H12/07/30
 福知山運転所 5300番台 京都行き。湘南色のオレンジと緑の間に黄色のラ
インが特徴的。園部まで2両ワンマンで、園部からは京都総合運転所の4両と連
結して6連で京都まで向かう。
福知山
H12/07/30
 網干総合車両所 リニューアル4両(7両との併結) 快速 姫路行き。
東加古川
H16/01/02
 写真009のリニューアル4両と、湘南色7両との併結部分。
東加古川
H16/01/02
 福知山運転所 3800番台(クモハ113-3801) 回送列車。こちらはオリジナ
ル顔である。
篠山口
H16/01/12
 福知山運転所 3800番台(クモハ112-3804) 回送列車。写真011の反対側は
中間車に運転台を後付したものだが、コストダウンの為に必要最小限の改造ゆ
え、オリジナル顔とは程遠い、中間車部分の面影が残る顔つきとなった。強度
の関係で非貫通構造となり、黄色の補強板が取り付けられ、旧型国電を彷彿
させる。
篠山口
H16/01/12
 福知山運転所 3800番台 福知山行き。改造時期の差異により、写真012とは
ヘッドライト形状が異なっている(この写真のヘッドライトは初期改造ゆえ、
103系非リニューアル車と同じ出っ張りタイプ。写真012のはリニューアル編成
に見られる収納型)
福知山線
柏原
H16/01/12
 113系車内。こちらは非リニューアルのオリジナル内装。JR西日本以降に乳白
色の内装、シートが茶色に交換されているが、ボックスシート、出っ張った自
動ドアユニットはオリジナルそのもの。
 
H16/01/20
 113系車内。こちらはN40リニューアル車の内装。天井が平面化され、蛍光灯
カバーが設置され、内装も221系以降のグレー系になっている。自動ドアユニ
ットも出っ張りが無くなっている。シートは221系や223系と同じ転換クロスシ
ートとなり、見違える程のグレードアップを果たしている。
 
H16/01/20
 網干総合車両所 7両、うち中間3両のみリニューアルされている。両端クハ
その他が基本的に非リニューアルであり初期車の為、側面行先方向幕は設置さ
れたものの未使用(非リニューアル側は未設置の為に使用不能)である。
大久保
H16/01/21
 福知山運転所 3800番台 福知山行き。写真012と同じ埋め込み式ヘッドライ
ト。写真012との違いは冷房ユニットが国鉄時代のAU75型が設置されている点
である。
八鹿
H16/06/30
 日根野電車区 リニューアル4両 紀勢本線御坊行き。一時期、阪和色が撤退
し、リニューアル編成に統一されてた時期に撮影。後に宮原総合運転所の非リ
ニューアルと入れ替わる形で日根野電車区管内でのリニューアル編成は撤退。
再び阪和色が復活している。
宮前
H17/07/01
 福知山運転所 3800番台 城崎温泉行き。高架化されたばかりの福知山駅に
停車している。
福知山
H17/11/28
 
  
 
 
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