JR117系(JR西日本)
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TOP画像:宮原総合運転所所(当時)117系 新快速色(撮影 2001年5月)
鷹取駅の列車線を通過する団体列車。既に新快速どころか、快速運用ですら大阪以西では撤退済みである為、この区間で見れるのはとても貴重であった。
どんな車輌か
 昭和54年に登場した、2扉セミクロスシートの直流近郊型電車である。関西地区で従来153系による新快速運用の置き換え用に投入、後に名古屋地区でも153系運用を置き換え、新快速列車としてデビューしている。
 
 並行する大手私鉄に対抗する為、転換クロスシートを採用。近郊型ながら両開き2扉で、特急型のような高運転台の非貫通構造のスタイルは、従来の113系などの標準的な近郊型に比べてインパクトの強いものとなった。塗装もクリームに茶色の帯という今までにないスタイルとなり、今までの国鉄標準塗装の常識を打ち破るものとなった。内装は妻面が木目調となり、天井は平面で蛍光灯はカバー付き、足回りも一部が特急用のものを使用するなど、高級感を打ち出している。
 
117系と同時期に開発された特急型の185系はデザインや足回りの一部が117系と共通だが、こちらは普通運用に対応した特急型であり、特急列車並みの快速列車である117系とは逆の発想である。こちらも153系の後継として登場。又、広島地区で153系後継で登場した、115系3000番台は117系と同じ2扉転換クロスシートで登場している。
 
 
JR西日本の117系
 宮原電車区に配置され、京阪神の新快速運用分がそのままJR西日本に引き継がれた。後継の221系が投入されてからは新快速運用から徐々に撤退。京阪神の快速運用の他、福知山線、奈良線の快速運用で使用されるようになった。
 
 その後、2扉が輸送上のネックとなり、京阪神の快速から撤退。岡山電車区に転出して快速サンライナーとして使用される(その入れ替えで、京阪神快速用は岡山から転入した115系が使用されるようになる。岡山での使用にあたって6両から4両に減車された為、余った中間2両は115系3500番台に編入される)。福知山線、奈良線運用も後に221系以降の新型に置き換えられ、和歌山地区、下関地区などの地方に転出され、京阪神での活動が減少傾向にある。
 
 
 2扉がネックとなり、同車よりも旧式の113系がリニューアルされて引き続き使用される中、117系に関しては延命工事は施工されずに今に至る。JR東海所属のは313系の平成22年度投入分で置き換えられる予定だが、西日本所属のは今の所、置き換えについてはアナウンスされていない。ただ、225系の大量投入により、将来的には置き換えられる可能性は高い。
 
 平成22年より、JR西日本所属の国鉄型塗装車の1色塗装化により、岡山地区で黄色1色仕様が登場している。
 
 
平成22年現在の配置
 
京都総合運転所
 湖西線、草津線、その他
 宮原総合運転所を拠点に、京阪神、奈良方面をカバーしていた同車は、福知山線撤退を機に京都総合運転所所属となり、湖西線と草津線(かつては8両固定などで嵯峨野線に乗り入れていた)で見られるのみとなっている。
 
宮原時代から湖西線・草津線運用は存在しており、クリームに茶帯の新快速色の0番台 100番台が使用されていたが、福知山線撤退により同線向けの300番台(扉付近をロングシート化した通勤運用対応)も混ぜて使用されている。300番台は白ベースに緑帯の「福知山色」だったが、新快速色に塗り替えられた物が存在する。
 
日根野電車区
 紀勢本線・和歌山線
 福知山線での運用減少により余剰となった4両編成2本が先に転属。当初は福知山色で使用されたが、さらに3本が投入され、オーシャングリーンに白帯の「オーシャン色」に塗り替えられた。和歌山線や紀勢本線を走行する事から、4両ながらワンマン運転に対応している(但し、運賃箱は設置されない都市型ワンマン運転である)
 
岡山電車区
 山陽本線
 京阪神快速からの撤退により、4両編成5本が転属。初めて宮原以外での117系配置となる。主に快速サンライナーとして岡山〜福山間で使用されるが、運行時間外になるとそれ以外の地域で各駅停車にも使用される。ワンマン運転に対応している。
 塗装は白ベースで、裾部に赤や橙など、太陽の光をイメージしたカラーとなっている。平成22年より、地域1色化の一環で、黄色1色の117系が登場している。
 
下関総合車両所
 山陽本線
 元々は117系の余剰により、それ以前に岡山に導入されていた元日根野所属で瀬戸内色113系と入れ替わる形で岡山電車区に100番台が4両編成3本導入(宮原からの貸し出し扱い)したのがきっかけで、トイレの汚物抜き取り設備の都合上、岡山地区でトイレが使用できない(117系トイレの汚物処理装置は循環式だが、岡山地区ではその汚物抜き取り設備が未整備な為、先に投入されたSUNライナー用はカセット式の汚物処理装置に改造されたが、後から投入した分はそのままの設備である)為に、下関へ又貸しという形で投入している。
下関導入後は、かつてJR九州415系などの乗り入れが廃止された代替として、新山口〜下関間で使用されている。
 
 
過去の配置
 
 
宮原総合運転所
 JR神戸・京都・琵琶湖線、JR宝塚線・福知山線、湖西線、草津線、奈良線、他
 前述の通り、かつては関西地区での各線向けは宮原で一括管理していた(湖西線・草津線運用は京都総合運転所、奈良線は京都総合運転所か奈良電車区が近い…にもかかわらずである。)
 
京阪神快速運用からの早々撤退後、福知山線でもドア付近をロングシート化しているとは言え、やはり2扉による輸送上のネックになり、221系などに置き換えられて徐々に運用本数を減らしていたが、平成17年の福知山線脱線事故により、新型ATS(ATS-P)設置が義務付けられ、当時ATS-P非対応だった117系は福知山線撤退を余儀なくされた。福知山線運用が無くなると、京都総合運転所に転属されて消滅。
写真集
写真
内 容
撮影場所
撮影年月
 宮原運転所 300番台 快速 大阪行き。
福知山
H10/03/15
 宮原総合運転所 0番台(トップナンバー) 快速 奈良行き。0番台にもか
かわらず、なぜか緑帯の福知山色をまとっていた。後に茶帯の新快速色に塗り
替えられ、トイレを増設した上で団体列車等に使用される事が多い。
京都
H12/03/18
 宮原総合運転所 300番台 普通 篠山口行き。日中の篠山口以北は113系
3800番台のワンマン運転になる為、それを避けた運用となっている。
谷川
H15/11/08
 岡山電車区 0番台 快速サンライナー 福山行き。
岡山
H16/04/10
 
  
 
 
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