日本一恐い駅 終了への道 
鉄道の駅、その形は様々であるが、関西にとても恐い駅と呼ばれる駅がある。
 
兵庫県神戸市中央区にある、阪神電車 春日野道駅 この駅がそうである。

地下区間の途中にある島式1面2線の駅であるが、その島ホームがとても狭い。実質的な数値は不明だが、約2mちょっとだと思われる(実際には2.6mとの事だが、太い柱のある部分はそれぞれ1mずつになり、かなり狭くなる)。停車する列車は各駅停車(普通・準急)が基本で、特急や急行などの優等列車は通過する。その際に現在は駅構内に入ると時速45kmで徐行して通過していくが、開業当初は減速する事なく(付近の最高速度は時速75kmだったと思う)通過していたと聞いた日にゃ、なんと恐ろしいことかと。現在の徐行通過ですら、風圧により飛ばされそうになる為に、中央の柵につかまっている人が多い。
 
そもそもこの「恐い駅」がなぜできたのか?明治38年の阪神開業当初から春日野道駅は存在した。昭和10年開業予定の三宮付近地下化の一環で廃止される予定で、地下トンネルは完成した。しかし、当時の川崎製鉄関係の利用者からの要望により駅存続へ急遽方向転換した為に、大幅なトンネル改造が困難だった為に通常の複線分の隙間に強引にホームを設けた、という事である。
 
こうして、「日本一恐い駅」としてテレビやラジオでも取り上げられた、阪神春日野道であるが、隣の岩屋駅と共に川崎製鉄跡地にできた東部新都心・HAT神戸の最寄り駅となる事から、乗客増に対応させるのと乗客の安全の為から、新たに相対式ホームを設け、島ホームを廃止する大改良工事が2001年から行われている。
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2004年1月16日撮影。左写真は駅構内。見ての通り、ホーム幅がとても狭い。工事の進展により、下りホームが姿を見せ始め、そこを板で塞いでいる。右写真は列車接近表示器。恐い駅での最低限の安全装置である。
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2004年1月16日撮影。駅構内では変化が少ないものの、地上の国道2号線では開削工事が行われ、車線規制により渋滞が発生する事も…。
2004年1月16日撮影。国道2号線を南北横断する地下道は多数存在し、その1つに阪神春日野道駅の改札が存在する。改良工事によりここも大幅に変化するであろう。
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2004年1月16日撮影。工事進展により、地上に出る階段の1つが閉鎖された。この下に、新しい下りホームが存在する事になる。
このように、「日本一恐い駅」も2006年3月の新駅開業に向けて、徐々に姿をかえつつある。もっと早く取材しとけばよかったと後悔している部分もあるが、これを機に今後も恐い駅の終了までの過程、そして新駅開業までの道のりを密着取材していく予定です。
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