阪神電車8000系
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TOP画像:8219F(撮影 平成22年12月23日)
第1次リニューアル化された3次車 8219F。梅田駅で発車を待つ、急行 尼崎行き。 
どんな車輌か
 昭和59年登場。Tc- M - M の奇数番3両ユニット、M - M - TC の偶数番3両ユニットをつなぎ合わせた6両固定となった。制御装置は3201系に準じた回生・抑速付きの界磁チョッパ制御、制動装置は電気指令式のMBSA、補助電動装置はSIVが採用された。
 第1編成(1次車)は7001形や3901形などの従来のスタイルで登場。第2編成以降は車体デザインが全面変更された。前面は大型窓となり、方向幕は種別と行先が別々となり、側面は従来の田の字窓に代わって一段下降窓を採用、内装は従来の緑からベージュの明るい物に変更されている(2次車)。その後も冷房装置の変更(3次車)、側窓の3枚ユニット化や車内LED表示器取り付け、バケットシート採用(4次車)など、段階を経てマイナーチェンジを繰り返している。合計6両21編成が生産された。
 
阪神大震災の影響
 平成7年1月17日の阪神大震災により、15両が被災し廃車となった。編成組み換えを行う上で不足となる3両(8523、8336、8536。従来の番号に300プラスされた)が新造されたが、廃車部品の再利用や、それぞれの組み込む編成にあわせて新造した結果、8523は3次車、8336と8536は4次車の外観となっている。旧車顔の8201Fも3両が被災し、健在だった8201は方向転換され8502に改番、8523の3両とペアを組んで運行している。
 
リニューアル
 第1編成登場から20年近く経過する事から、平成14年からリニューアルが行われている。9300系に準じた内容となり、外観はオレンジと白の塗り分けに変更、中間4両がクロスシート化、内装も9000系以降の濃いベージュとなり、9000系と同じ車内LED(路線図タイプの点燈表示は省略)が取り付けられた。3編成目より混雑状況の関係でクロスシートは中間2両のみとなっている。平成19年に8523Fがリニューアルしたのを最後に一旦中止されるものの、平成21年にリニューアル再開。平成23年に更新された8231F以降は1000系に準じた内容(行先表示機のフルカラーLED化、ドアに盲動鈴、開閉予告灯の設置。車内案内表示機の取り付け位置変更、等)に変更。そして平成24年以降は4次車にもリニューアル工事を施工するが、クロスシート化は省略されている。
1次車(8201F→8523Fの神戸寄り 8102-8002-8502)
 昭和59年に登場。試作という事もあり、外観は7001形や3901形などの旧型スタイル。但し、固定編成として使用する事から貫通幌、渡り板を省略。貫通扉もツライチとなった事から、のっぺりとした外観となっている。側窓も田の字型のユニット窓、内装も従来の緑色となっている。阪神大震災により被災。8001、8101、8202が廃車となり、残る車両のうち、大阪方先頭車8201の向きを変更、神戸寄り先頭車8502に改番。大阪方3両の8523-8023-8023とペアを組み、8523Fとして活躍中。
 
8502F(8523Fの神戸寄り)
 
2次車(8211F〜8215F)
 昭和59年末に登場。試作編成だった8201Fとは違い、外観は大幅に変更。額縁スタイルとなり、正面方向幕は種別と行先が個別となって左右の窓ガラス上に移設、前照灯は貫通扉上に移設。側窓は独立した1段下降窓を扉間に3つずつ(連結側は2つずつ)配置している。内装は従来の緑から、ベージュの明るいものに変更。以降の従来車の更新にも踏襲している。このような変更により、2次車あるいは8011系とも呼ばれる事がある。震災により8213Fの中間3両が被災、廃車され、8213-8013は8217Fの神戸寄りに残った4両と連結(新 8213F)、8214は8221Fの神戸寄り先頭車として連結、新8221Fとなっている。
 
8213F
 
8214(新8221Fの神戸寄り)
 
8215F
 
3次車(8213F〜8231F)
 昭和61年〜平成2年まで製造。冷房装置が従来の分散式6〜7機から、集約分散式4機に変更。天井の吹出口も連続の横流しファン式に変更。これにより車体高さも5cm高くなっている。さらには、製造途中にて方向幕の英字併記化も行われている(従来製造分も後に英字併記方向幕化)震災により、8217Fの梅田寄り2両(8217-8017)、8221Fの神戸寄り1両(8222)、8223Fの梅田寄り1両(8223)と神戸寄り3両(8124-8024-8224)の計7両が廃車。8217Fの残った4両は8213-8013と連結の上、新8213Fへ、8221Fは神戸寄り先頭車を8214で代用の上、新8221Fへ、8023-8223については梅田寄り先頭車8523を代替新製し、神戸寄り3両は1次車の生き残り8102-8002-8502を連結し、8523Fとなった。8523Fは梅田寄りと神戸寄りで形状の異なる編成となり、運転台の違いから直通特急運用には使用されない(直特運用開始時は乗り入れ未対応、リニューアル工事により対応化はされるも、未だ使用実績無し)
 
8219F
 
8221F
 
8523F
 
8227F
 
8229F
 
8231F
4次車(8233F〜8249F)
 平成3年以降に製造。側窓が連続窓に変更、座席がバケットシート化、LED式の車内案内表示機をドア上に千鳥配置するなどのマイナーチェンジを受ける。以降も内装の模様が変更されたり、車椅子スペースの設置、車内の車番や製造名盤のエッチングプレート化などの小変更を受けている。阪神大震災直後に8249Fが落成。以降はVVVFインバーター車の5500系・9000系や9300系に製造移行するが、これらの形式は8000系4次車での変更点を引き継いでいるものもある。震災により、8235Fの神戸寄り2両(8036-8236)の計2両が廃車。8336-8536を代替新製し、新8235Fとなった。シートのモケットは当初は薄いピンクであったが、段階的に当時の9000系と同じ濃いピンクになったり、9300系や8000系リニューアルと同じオレンジ系のものに交換されている。平成24年以降にこのグループもリニューアルされているが、シートはロングシートのままである。LEDの車内案内表示機は従来の大型外付けタイプから、5500系や9000系以降の小型でドアエンジン内臓タイプ(マップ式路線図は省略、8231Fリニュ以降の上部配置)に変更されている。
 
8233F
 
8235F
 
8537F
 
8239F
 
8241F
 
8243F
 
8245F
 
8249F
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