方向幕〜山陽電車〜
山陽電車の行先方向幕採用は昭和43年、3000系第3次車より正面は種別/行先別、手巻き式で貫通扉に設置、側面は種別/行先一体型、電動式で、私の知っている限りでは電動式を採用したのは山陽が一番古いのではないかと思う。側面に関しては当初は17コマしかなく、3両編成は普通車中心の行先が、4両編成には特急と急行(急行は昭和59年に廃止)中心の行先が入れられており、その4両編成が普通運用に回された際、コマ不足により[普  通]のみの表示が見られたりもします。昭和50年以降になると40コマ仕様が登場、昭和61年の5000系登場で普通表示、正面行先の黒幕白抜き化、平成3年頃に英字併記化、平成9年の5030系登場で側面のみLED表示を採用し、現在に至る。
正面表示器 3000系タイプ
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3000系タイプの正面方向幕は貫通扉に設置、上段に種別、下段に行先を表示する。大半は手動の手巻き式で、側面方向幕のコマ不足で表示できない行先(西新町、藤江など、定期ダイヤに存在しない表示を装備)にも臨機応変に対応できる利点を持つ。一方、3050系アルミカー後期型の一部については電動化されているが、側面方向幕との連動ゆえ、コマのない行先への対応に苦労している。 
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方向幕写真(クリックすると写真が表示されます。)
・種別表示、黒幕英字入り
 
・種別表示、黒幕英字無し
 
・種別表示、白幕
 
・行先表示、黒幕英字入り
 
・行先表示、黒幕英字無し
 
・行先表示、白幕
側面表示器 3000系タイプ
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3000系タイプの側面方向幕は昭和43年の300系3次車より設置。初期車の17コマ仕様は普通用、特急用の2パターンである事は上記で述べた通りだが、度重なる編成組み換えの度に幕の入れ替えが行われていた。後に登場する40コマ仕様との互換性もあり、17コマと40コマで指令器ごと交換する事もあった。正面表示と違い、種別幕の普通が黒幕化した今も行先部分は白幕のままであるが、阪神や阪急方面の行先は誤乗防止の為青幕、緑幕に識別される。
方向幕写真(クリックすると写真が表示されます。)
・普通黒幕、英字入り
 
・普通黒幕、英字無し
 
・普通白幕
正面表示器 5000系タイプ
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5000系タイプの正面方向幕は左右窓上に設置、左側に種別、右側に行先を表示する。電動化されたが、側面方向幕と指令器が別物になっているので、3000系同様に臨機応変な表示に対応できる。直通特急は阪神8000系以降の前面幕に合わせて、黒地に赤文字となっている。 
方向幕写真(クリックすると写真が表示されます。)
・種別表示、英字入り
 
・種別表示、英字無し
 
・行先表示、英字入り
 
・行先表示、英字無し
側面表示器 5000系タイプ (幕式)
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5000系タイプの側面方向幕はサイズが3000系に比べて横長になっているが、デザインは3000系とほぼ同様である。但し、こちらは当初より普通幕が黒幕で登場し、3000系もそれに追従している。3050系途中からの40コマよりもさらに多い56コマ仕様となり、幅広い行先に対応ができる。それでも後から追加された通勤特急やS特急表示は種別のみだったり、登場時には既に廃止された急行表示が残っていたり(直通特急運行開始時には直特)、56コマの余裕をあまり生かしきれていない感はある。
方向幕写真(クリックすると写真が表示されます。)
・英字入り
 
・英字無し
側面表示器 5000系タイプ (LED式)
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5000系タイプの側面LED表示器は5030系第1&第2編成より登場したが、サイズ的には5000系側面方向幕と同じで、両者の交換は容易である他、方向幕とLED表示の編成が混在しても両方表示が可能など、互換性がある。幕式に比べてフリーパターン性に富んでいるが、3色LEDの為(列車種別の少ない山陽電車ではそれでも十分ではあるが)、黄色直特などの表現にはかなりの苦労が見られる。他社でフルカラーLEDが普及している今、3色LEDは古さを感じさせられてしまう。
LED表示写真(クリックすると写真が表示されます。)
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