山陽電車3200系
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TOP画像:3210F(撮影 平成18年3月28日)
 飾磨駅で発車を待つ網干行きの3210F。一連の3000系リニューアル第一号はこの編成から。
どんな車輌か
 昭和43年、3000系三次増備車の車体に2000系の電動機等の足回りを組み合わせて登場。3000系に比べて出力が低い事から、専ら3連の普通車運用である。3200F〜3204Fの3編成が先に登場、昭和63年には2000系の廃車により機器が供出できた事から3034F、3036Fをそれぞれ3206F、3208Fに改造、平成10年には2300系の電装解除により供出した2000系の電動機を3010Fに搭載、3210Fとなる。3210Fのみ二次増備車からの改造ゆえ見栄えが古かったが、車体更新を受けて内外装がリニューアルされた。全車ワンマン運行対応で、網干線での運行が中心である。
 
2000系との関係
 前述した通り、3000系の車体に2000系の足回りという組み合わせである。2000系の足回りと言っても、電装解除した2000系用主電動機の流用が主であり、ブレーキ装置や電動車のユニット配置、台車、1500V専用の電装などは3000系そのもの。つまり、その実態は「出力の低い3000系」であり、複電圧仕様により複雑な電装だった2000系とは異なる。ただ、低出力ゆえ他の3000系のように中間付随車を組み込んでの2M2Tの4連運転は性能不足により不可能。専ら2M1Tの3連で普通車運用中心である。その辺は同様に特急の4連化により普通運用に降格となった2000系と共通である。
 
3204の冷房装置
 3200系のうち、新製投入分(3200F〜3204F)は当初非冷房であり、後に改造取付を実施。3連普通車用という事もあり改造工事は比較的遅かったものの、3200Fと3202Fは分散式(中間電動車のみ集中式)を取付。3204Fについては5000系登場後の改造ゆえ、オール集中式にて改造。但し、他の3000系で後期にオール集中式冷房機搭載車の電動発電機はSIV(静止インバーター)となっているのに対し、3204Fに関しては旧来の大型MGを設置している。理由は不明。3206F以降の車両は3000系時代に冷房改造済。
 
ワンマン装置取付
 網干線ワンマン運転実施の為、3200系全編成と3000系2編成(当時)を対応改造。自動放送の取り付け、ドアチャイムの設置の他、運転室からの後方視界向上の為に曲面ガラスの仕切りを廃止するなどの改造を行っている。
 
運用
 ワンマン改造後は網干線運用が主であるが、本線でもツーマン運転にて3連普通車運用としてワンマン非対応の3連運用と共通使用されている。平成10年ダイヤでは日中の本線普通が阪神阪急乗り入れの都合で4連しか使用できず、ラッシュ時に区間運用にて使用されるという逆転現象が起きていたが、平成15年の規制緩和で阪神阪急へ3連の乗り入れが可能になった事から、日中でも本線普通に使用される事が多くなっている。
 
リニューアル
 3000系列にて一番最初にリニューアル工事を受けたのは、実は3210Fである。3200系としてのリニューアルは今の所3210F以外には実施されていない。3012Fの更新以降、方向幕の新型指令器による正面電動化のメニュー追加、リニューアル済の編成にも追加改造を行っているが、3210Fについては未実施である(普通車専用ゆえ、側面方向幕40コマ化の必要が無い為)
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1次車(3200F〜3204F)
 3000系3次車と共に新製されたグループ。前述の主電動機の違い以外は3000系3次車とほぼ同様。姫路方制御車は3000系と共通。冷房装置は3200Fと3202Fが分散式+集中式、3204Fはオール集中式である。
 
3200F
 
3204F
 
2次車(3206F〜3208F)
 3000系3次車 3034Fと3036Fの主電動機交換により編入されたグループ。姫路方制御車はそのまま使用。新製配置の1次車とは同じ3000系3次車ベースの為、違いは見られない。冷房装置は編入前に分散式+集中式を取付済
 
3208F
 
3次車(3210F)
 3000系2次車 3010Fの主電動機交換により編入されたグループ。この編成のみ2次車からの編入ゆえ、正面方向幕の出っ張り、中間電動車の低屋根化未実施などの差異が見られる。ワンマン装置は3000系時代に改造済み。冷房装置は3000系時代にオール集中式にて取付済。3000系列で最初の、そして3200系では唯一のリニューアルが実施され、正面方向幕は他編成のようにツライチ化されている。
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