山陽電車5030系
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TOP画像:5632F(撮影 平成10年2月8日)
山陽姫路駅で発車を待つ、直通特急 阪神梅田行き。 
どんな車輌か
 平成9年登場。外観は5000系後期車と同じだが、山陽電車初のVVVFインバータ搭載車輌となった。 6両編成の基本編成2本の他、平成13年に5000系4連車の6連化の為に中間電動車2両ユニット4本を増備。計20両が在籍。制御装置の変更、それによる主電動機の変更により、高加減速化や省電力、乗り心地改善に貢献している。従来の4M2Tから3M3Tとなり、3000系以来続いた神戸方が電動車、姫路方が制御車という概念は崩れ、両端が制御車、中間が電動車3両+付随車1両という編成となった。その為、車体番号の上での「5030」は存在しない。5000系と共に、直通特急を中心に運用。
 
ドア開閉予告ブザー
 ドア開閉時「プー」という音を発する。阪神電車9000系以降のブザー音と同じである。現状、1次車2編成のみであり、従来の5000系などの編成への設置は今の所見られない。
 
車内案内表示機
 3色LED、横スクロールにて表示。他社に比べて大型であり、文字は明朝体、表示速度は比較的ゆっくり。「次は ○○(駅名)」等の静止表示時は日本語の下に英字併記される。運用当初は大した車内広告表示はされなかったが、近年は積極的に案内している。しかしながら表示速度の遅さが災いし、「まもなく ○○駅 …」等の到着表示が省略されるどころか、広告表示までも中途半端に途切れる事が多くなっている。平成21年ダイヤまでは装置周りに路線図を描いた黒いフェイスプレート(阪神5500系のようなマップ式表示灯に見た目が近いが、ある意味ダミー)を貼り付けていたが、阪神なんば線開業関連による修正版は作成されず、フェイスプレート無しのFPRむき出しの状態で使用中である。これについても現状は2編成のみに留まり、従来車への設置予定も今の所無い。
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1次車(5630F〜5632F)
 平成9年、6両編成を2本投入。この投入にて2300系(3連×2本)は電装解除され、3000系付随車として編入。3000系4連の増強や老朽化した3550(元 2000系)を置き換えている。基本編成の投入は5000系5022Fが平成3年に投入して以来6年ぶり。
車体は5000系5次車に準じているが、車内のクロスシートは阪神線内の混雑を考慮し、1+2列配置(山側1列、浜側2列)となった他、冷房装置やそれに関連する屋根周りの形状、パンタグラフが従来の菱形(旧型車両からの廃車発生品)から3050系以来の下枠交差式を採用している点、側面のLED式行先表示器、車内案内表示器、ドア開閉予告ブザー、通話式非常通報器等も新たに採用されているのが5000系との違い。5000系と同じ前面貫通型であり幌連結にも対応可能であるが、6両固定編成で併結しない事から、幌は省略された他、渡り板は地下線乗り入れ時の非常時脱出用はしごと干渉する為、短いステップ状のものに変更(その為、現状では幌連結に考慮されていない。あくまで非常用)。他の5000系にも同様の構造に改造されている。
 
5630F
 
5632F
 
2次車(5235-5252〜5241-5255)
 平成13年、中間電動車2両4本を投入。その際、M1-M2(5230偶数-5230奇数)ではなく、敢えてM2-M3(5230奇数-5250)としたのは、パンタグラフの有無を5000系5200ユニットと辻褄を合わせる為。ちなみにM1とM3は共通設計との事。
クロスシートの配列(1+2列)が海側と山側で逆配置になった他、溶接方法の変更、連結面への転落防止幌の設置(当初は5030同士の部分のみ、その後は5000系や5030系1次車にも設置)、妻面貫通扉の形状変更(取っ手の拡大、開く方向を浜側に統一)といった点が1次車との違い。5000系への組み込みを前提としている為、車内案内表示機、ドア開閉予告ブザー、通話式非常通報器は準備工事状態となっている。側面方向幕は大半が5000系基本ユニットに併せて幕式となっているが、5010Fに組み込まれた5241-5255のみLEDとなっている(当グループ向けの幕式方向幕は新品ではなく、5000系で使用していた物を流用している。この為、一部の5000系が逆に5030系1次車と同様のLED表示機へ取り替えられている)
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